2008 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腎臓病進展におけるTRPC6、NFκB、NFATの分子連関の役割の解明
Project/Area Number |
20590961
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
林 松彦 Keio University, 医学部, 准教授 (60129608)
|
Keywords | 慢性腎臓病 / NFκB / TRPC6 / NFAT |
Research Abstract |
慢性腎障害モデル動物におけるNFκB、 NFAT、 TRPC6の役割を検討するために、アルドステロン持続投与・食塩負荷マウスにおいて下記の検討を行った。特に、腎における細胞内Ca^<2+>調節に関与するTRPC6のmRNA発現量を経時的に観察した。その結果、アルドステロン投与3週目に軽度のTRPC6発現量増加を認めたが、統計学的に有意ではなかった。この結果から、アルドステロンの腎障害発症機序には、TRPC6、 NFAT系は重要な役割を果たしていないことが明らかとなった。今後、他の慢性腎障害モデル動物でのNFκB、 NFAT、 TRPC6の役割を検討する予定である。 Dominant negative NFATの足細胞特異的過剰発現マウスの作成を行った。NFAT3のアミノ酸1-130(dnNFAT)はdominant negatlveな作用を有し、NFATファミリーの1-4、全ての活性を抑制することがin vivo、 in vitroの研究から知られており、T-cell特異的に発現した場合、NFATの活性化が抑えられることも過去の報告で明らかとなっている。そこで、NFATの細胞特異的役割検討のために、足細胞特異的発現promotorであるnephrin promotorの下流にdnNFAT蛋白遺伝子を組み込んだconstructを作成し、マウス卵母細胞への打ち込みを行い足細胞特異的にNFAT活性を抑制したマウスを作製した。Western blottingによりdnNFATの腎内発現が3系統のマウスにおいて確認され、その中で発現量の多い2系統を継代中である。また、dnNFAT遺伝子にcMyc遺伝子を接合したconstructを作成して打ち込みを行っていることから、免疫組織で腎内cMyc発現部位を検討し、糸球体に弱い発現を認めた。
|
Research Products
(4 results)