2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590963
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鈴木 祐介 Juntendo University, 医学部, 準教授 (70372935)
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Keywords | IgA腎症 / 樹状細胞 / 粘膜免疫 / ddYマウス / TLR9 / CDllc |
Research Abstract |
我々は、IgA腎症における粘膜免疫、特にその中で中心的な役割を果たす樹状細胞について、最近我々が確立したIgA腎症自然発症モデルマウス(J Am Soc Nephrol,2500;16:1289-1299)を用い解析を行った。in vivoでは、早期発症のddYマウスの脾臓よりPAN DCマイクロビーズ(Miltenyi Biotec)を用い樹状細胞(DC)を抽出し、T細胞が欠損しているBalb nu/nuマウスに移入したところ、糸球体にIgAの沈着を認め、腎炎が再構成できた。同様の実験をB細胞とT細胞を欠くscidマウスに移入したところ、腎炎を再構成することはできなかった。in vitroでは、SPF (specific pathogen free)環境下で飼育された、早期発症群のddYマウスとBalb/cマウスの脾臓より細胞懸濁液を作成し、B細胞、T細胞、DCのマーカーでFACSによる解析を行ったところ、ddYマウスではBalb/cと比較し、CDllc陽性の細胞分画が増加していた。また、前述のマイクロビーズ等を用い、ddYマウス、balb/cマウスよりB細胞、DCを分離し、alloの場合も含め、DC-Bの共培養を行ったところ、ddYのDCを含むDC-B培養液からは他の組み合わせと比較して、IgAの産生を優位に認めた。またToll様受容体の一つであるTRL9のリガンドであるCpGを共培養に加えたところ、優位にIgA産生の増強を認めた。以上のことより、DCがIgA腎症の発症に重要な役割を果たしていることは明らかであり、今後更なるDCの解析により、IgA腎症の発症と進展のメカニズム、また治療戦略にも寄与するものであると考える。
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