2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20590963
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
鈴木 祐介 Juntendo University, 医学部, 准教授 (70372935)
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Keywords | IgA腎症 / 樹状細胞 / 粘膜免疫 / ddYマウス / TLR9 / CDllc |
Research Abstract |
我々は、IgA腎症における粘膜免疫、特にその中で中心的な役割を果たす樹状細胞について、最近我々が確立したIgA腎症自然発症モデルマウス(J AM Soc Nephrol,2005;16:1289-1299)を用い解析を行った。In vivoでは、早期発症群のddYマウスの脾臓から抽出した樹状細胞(DC)を他のマウスに移入することによる腎炎の再構成を確認し、in vitroで同マウスのB細胞とDCの共培養はコントロールマウスと比較して、IgA産生能のを確認し、その反応はTLR9のリガンドであるCpG-ODNの投与で亢進することを確認した。マウスでは、TLR9はB細胞とDCの両方に発現しているため、ddYマウスでのTLR9の病的意義についてさらに検討を加えた。タイプA(DCに作用)、タイプB(B細胞に作用)、タイプC(DCとB細胞に作用)の3つの異なった作用をもつ3種類のCpGをddYに投与すると、いづれも糸球体障害の増悪を認めた。ddYにCpG-ODNで粘膜感作を行うことにより、腎症が増悪した。タイプA、Cでは血清IgA-IgG2a免疫複合体の有意な増加を認めた。タイプBでは血清総IgAの有意な増加を認めた。マウスIgANでは、粘膜面でTLR9を介して活性化される細胞の種類によって病態が異なる可能性が考えられた。IgA腎症モデルマウスでは、感作される細胞の相違が疾患の多様性につながる可能性が考えられる。今後更なるDCの解析により、IgA腎症の発症と進展のメカニズム、また治療戦略にも寄与するものであると考える。
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