2009 Fiscal Year Annual Research Report
心腎連関における非対称性ジメチルアルギニンの役割の解明
Project/Area Number |
20590969
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
上田 誠二 Kurume University, 医学部, 講師 (80322593)
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Keywords | 心腎連関 / 慢性腎臓病 / 血管内皮障害 / 心肥大 / ADMA |
Research Abstract |
慢性腎臓病(CKD)患者では心血管病(CVD)が多発することから、「心腎連関」なる概念が想定されている。この連関を解くひとつの鍵として非対称性ジメチルアルギニン(ADMA)の存在が挙げられる。ADMAは内因性のNO合成酵素阻害物質であり、CKD患者で著明に上昇し、血管内皮障害やCVDの良いバイオマーカーとなり得る可能性が示唆されている。申請者らは、当該年度において、CKD動物モデルを作成し、上昇したADMAが心臓の微小血管網を障害し、心筋細胞を慢性的な虚血状態に至らしめ、その結果心肥大を進展させることを見出した(現在論文作成中)。心肥大はCKD患者において高頻度で観察され、重要な予後の規定因子であることがわかっており、この機序としてのADMAの関与を明らかにすることは、CVD患者の新規治療法確立にも有用と考えられる。また平行して、CKD関連因子(尿毒素物質、尿蛋白、腎の慢性虚血、etc)がADMAの産生や代謝系の酵素系(dimethylarginine dimethylaminohydolase, protein methyltransferase)の異常を引き起こし、ADMAの上昇に寄与していることを明らかにしており、現在引き続き、その詳細な分子メカニズムを解析中である。この機序を明らかにすることにより、CKD、CVDの共有のリスク因子である内皮障害を制御するといった新しいCKDの治療戦略の開発が期待される。
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Research Products
(4 results)