2010 Fiscal Year Annual Research Report
心腎連関における非対称性ジメチルアルギニンの役割の解明
Project/Area Number |
20590969
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
上田 誠二 久留米大学, 医学部, 准教授 (80322593)
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Keywords | 心腎連関 / 慢性腎臓病 / 血管内皮障害 / 糸球体硬化 / 間質線維化 / 小胞体ストレス / 蛋白尿 |
Research Abstract |
慢性腎臓病(CKD)患者では心血管病(CVD)が多発することから、「心腎連関」なる概念が想定されている。この連関を解くひとつの鍵として非対称性ジメチルアルギニン(ADMA)の存在が挙げられる。ADMAは内因性のNO合成酵素阻害物質であり、CKD患者で著明に上昇し、血管内皮障害やCVDの良いバイオマーカーとなり得る可能性が示唆されている。申請者らは、CKDで上昇したADMAが、CVDの進展に関与するばかりでなく、腎局所の内皮障害を介し、糸球体硬化や腎線維化の進展に関与することを見いだしてきた。当該年度にはADMAの上昇が慢性糸球体腎炎患者の腎組織障害のマーカーであることや腎障害のリスク因子であることを見出し報告した(Am J Nephrol.2011)。またCKDにおけるADMAの上昇機序として、終末糖化蛋白(AGEs)、尿蛋白や虚血に伴う酸化ストレスや小胞体ストレスが、腎におけるADMAの産生や代謝酵素(dimethylargi nine dimethylaminohydolase, protein methyltransferase)の異常を引き起こし、ADMAの上昇に寄与していることを明らかにした(論文投稿中)。これらの知見により、CKD、CVDの共有のリスク因子である内皮障害を制御するといった新しいCKDの治療戦略の開発が期待される。
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Research Products
(3 results)