2009 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質間相互作用によるナトリウム重炭酸輸送体機能修飾の意義
Project/Area Number |
20590971
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 秀臣 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (60396752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 常司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30206619)
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Keywords | NBC1 / RTA |
Research Abstract |
NBC1変異体によるDominant Negative作用について:申請者らが報告している遺伝性近位尿細管性アシドーシス症例で、膜発現を欠くタイプのNBC1ホモ接合体変異全例が片頭痛を合併している。これはNBC1を介した脳内星状細胞内への重炭酸流入が欠損したため神経細胞の異常興奮が引き起こされるため、と推定された。またNBC1は細胞内では2量体を形成すると考えられている。そこでNBC1変異体の有するDominant Negative作用が関与する可能性をみるためにNBC1野生型のC末にMyc-Hisタグ、変異体についてはGFP融合コンストラクトを作成し、MDCK細胞およびラットC6グリオーマ細胞などに発現させた。まずレジンを用いた免疫沈降法により、NBC1は2量体を形成することを確認した上で、ビオチン化Western blot法により、変異体共発現による野生型NBC1細胞膜発現の変化を定量化した。この結果、共発現時に明らかな野生型NBC1膜発現の低下を認め、Dominant Negative作用を確認できた。また共焦点レーザー顕微鏡を用いた細胞内NBC1発現分布の実験をC6グリオーマ細胞とMDCK細胞で行った。両細胞に置いても変異型との共発現で細胞内に野生型NBC1が留まっているのが確認できた。以上のことから変異体NBC1では野生型の膜発現の低下を起こすDominant Negative効果により片頭痛が起こりうる可能性を証明し、多くの患者が存在する片頭痛の新しい発症機序を提示することができた。
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