2010 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質間相互作用によるナトリウム重炭酸共輸送体機能修飾の意義
Project/Area Number |
20590971
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 秀臣 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60396752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 常司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30206619)
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Keywords | NBCe1 / RTA / 片頭痛 |
Research Abstract |
ヒト脳型NBC1(bNBC1)のクローニング:現在まで腎型NBC1(kNBC1)、および膵型NBC1(pNBC1)のコンストラクトを用いてその電気生理学的な検討を行った。今回はヒトbNBC1をクローニングして機能発現をXenopus Oocyteを用いて測定した。bNBC1はpNBC1と同様にIRBITにより輸送活性が増強されることを確認した。次にbNBC1の脳内発現を免疫染色等で確認したところBergmann細胞に発現していた。現在以上のデータをまとめ、論文投稿中である。 NBC1の機能異常が片頭痛を引き起こす:申請者らが報告している遺伝性近位尿細管性アシドーシス症例で、膜発現を欠くタイプのNBC1ホモ接合体変異全例が片頭痛を合併していた。NBC1は脳内のシナプス結合部の星状細胞に発現している。NBC1の細胞膜発現に異常があると星状細胞内への重炭酸流入が欠損するため神経細胞の異常興奮が引き起こされると考えた。C6グリア細胞を用いた実験でNBC1は二量体を形成しており、膜発現を欠く変異体と野生型を共発現させるとNBC1の機能低下を確認した。また共焦点レーザー顕微鏡を用いた細胞内NBC1発現分布の実験でも膜発現を欠く変異型との共発現で細胞内に野生型NBC1が留まっているのが確認できた。 以上のことから変異体NBC1では野生型の膜発現の低下を起こすDominant Negative効果により片頭痛が起こりうる可能性を証明し、新たな片頭痛発症機序を報告した(PNAS,107,15963-15968,2010)。今後は家族性の片頭痛の家系の遺伝子解析を行う予定である。
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Research Products
(5 results)