2008 Fiscal Year Annual Research Report
アルドステロンの腎障害におけるプロスタシンの関与とその阻害薬の腎保護作用の研究
Project/Area Number |
20590977
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安達 政隆 Kumamoto University, 医学部附属病院, 助教 (90398206)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 生体分子 / 薬学 / 臨床 |
Research Abstract |
I.アルドステロン(Aldo)持続投与ラットにおける腎障害、特に炎症・線維化の検討ならびに降圧薬とセリンプロテアーゼ阻害薬(SERPIN)による腎障害軽減作用・腎保護作用の検討 SDラットに浸透圧ポンプを用いてアルドステロン持続皮下注(0.75μg/hr)し、1%NaCl食塩水を飲水させ、4週間経過観察した。4週後、血圧は有意に上昇し、尿蛋白も有意に増加、血清Crも上昇した。realtime PCRの検討により腎臓において線維化マーカーであるType I、TypeIII collagenは有意に増加し、ポドサイト障害のマーカーであるnephrinは有意に低下、B7-1は増加、単球走化活性因子であるMCP-1も有意に増加した。Prostasinの発現増加は認めなかったが、ENaCα、β、γsubunitは増加した。また、腎組織標本において糸球体硬化、間質の線維化所見も認めた。 同モデルラットにおいてエプレレノン、ヒドララジンを投与したところ血圧の有意な低下、尿蛋白の減少、血清Crの低下を認め、腎線維化マーカーも有意に減少し、nephrinは増加、MCP-1も有意に低下し、腎組織標本においても有意な組織像の改善を認めた。いずれのデータもヒドララジン群よりエプレレノン群の方が有意な改善を認めた。 SERPINであるメシル酸ナファモスタット(FUT)を2mg/kg/hr持続静脈投与した群では降圧効果、組織障害改善効果に有意さを認めなかったため再実験を施行中である。別のSERPINの投与も検討中である。 II.prostasinによるPAR活性化の検討 1.prostasinがPARを活性化するかどうかを検討するため、リコンビナントヒトprostasin(100μg/ml)をPAR-1およびPAR-2が発現しているヒト副腎皮質由来のH295Rに添加し、PARの活性化を検討したが、活性化は認めなかった。現在、再実験を施行中である。
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