2008 Fiscal Year Annual Research Report
尿細管イオントランスポーターとNEDD4Lの解析による本態性高血圧症の成因の解明
Project/Area Number |
20590978
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
石上 友章 Yokohama City University, 医学部, 准教授 (50264651)
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Keywords | 本態性高血圧症 / イオンチャンネル / 腎臓尿細管 / Nedd4L / ユビキチン / 上皮性ナトリウムチャンネル |
Research Abstract |
平成20年度は、Nedd4L遺伝子が高血圧発症に関わるメカニズムを解明する目的で、下記の研究計画を立案し、それぞれ実行し成果を挙げた。第一にあげたマウスNedd4L遺伝子I型isoformのノックアウトマウスの作成を推進している。前年度に作成したtargeting vectorを用いて、マウスES細胞への相同組み換え体の作成を行い、約400個のES細胞をスクリーニングし、相同組み換え体を得ることができた。今年度は、キメラマウスの作成、ホモノックアウトマウスの作成をおこない、可能な限り表現型の解析を行う。第二に、ENaC-Nedd4L系の生理的な調節機構を明らかにする目的で、食塩感受性高血圧を呈するC57B16/Jマウスを対象にして、高食塩負荷、アンジオテンシンII受容体拮抗薬投与時の腎臓尿細管細胞での情報伝達系の解析を行った。第三にあげたNedd4LとENaCとの細胞膜上でのユビキチン化の効率を高めるscaffoldingタンパク質の同定を行った。本研究の成果は、平成20年度に行われた国際高血圧学会(ベルリン)で、一部の発表を行った。 上記のように、本態性高血圧症の成因として腎臓尿細管におけるイオントランスポーターの調節因子であるNedd4Lに着目した本研究を、さまざまな角度から推進しており、その詳細を明らかにしつつある。本研究の結果、本態性高血圧症の成因が分子レベルで明らかになり、分子病理に基づいた理論的に整合性の高い診療(診断、治療、生活指導)の最適化を確立することを目標にしている。
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Research Products
(6 results)