2009 Fiscal Year Annual Research Report
尿細管イオントランスポーターとNEDD4Lの解析による本態性高血圧症の成因の解明
Project/Area Number |
20590978
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
石上 友章 Yokohama City University, 医学部, 准教授 (50264651)
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Keywords | 本態性高血圧症 / 上皮性ナトリウムチャンネル / 腎臓尿細管 / ユビキチン化 / Nedd4L / NPC2 |
Research Abstract |
(1)C2ドメイン特異的ノックアウトマウスの作製 これまでの我々の研究から、terminal nephronでのナトリウム再吸収を調整している上皮性ナトリウムチャンネル(ENaC)をユビキチン化するE3であるNedd4Lは、ヒト、ラットにおいて、分子多様性を持っていることが明らかになった。マウスでの分子多様性をin silicoに検討した結果、同様に未知のC2ドメインをコードするエクソンを発見した。したがって、マウスでもNedd4L遺伝子からは、C2ドメインを有するisoformとC2ドメインを持たないisoformとが転写、翻訳されて、同一細胞に発現している可能性が判明した。ヒトのtruncated C2 domain(+)タンパクを産生する遺伝子多型は、高血圧症に有意に多く、血漿レニン値が低く、24時間血圧測定値が高いことが知られている。そこで、本年度は、前年度に引き続きC2ドメイン特異的ノックアウトマウスを作製する工程のうち、キメラマウス作製を行い、最終的にヘテロ型のマウスを得ることができた。現在は、雌雄を交配しホモノックアウトマウスを作成中である。 (2)ヒトNedd4L-C2ドメイン細胞膜scaffoldingタンパクの同定と機能解析 我々は、すでにYeat two hybrid系を用いて、当該クローンの同定に成功している。同定した分子の、組織学的検討、分子生物学的検討を行い、機能を明らかにする。ENaCが生体のナトリウムバランスに応じて効率よくNedd4Lによってユビキチン化されるため には、尿細管上皮細胞膜表面上のclathrin pitに集積するといわれているENaCとNedd4Lとの邂逅を仲立ちするようなscaffoldingタンパクが存在することが予想される。Nedd4Lのorthologであるrat Nedd4ではannexin XIIIbが、その役割を果たすとされている(Plant, Lafont et al. 2000)が、ヒトNedd4Lでは明らかになっていない。その結果、ヒトNPC2タンパクをYeat two hybrid法でクローニングすることに成功した。(Araki N, Ishigami T, et al. BBRC 2009)
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Research Products
(5 results)