2008 Fiscal Year Annual Research Report
副甲状腺細胞内における副甲状腺ホルモン断片化調節機構の研究
Project/Area Number |
20590980
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
稲葉 雅章 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 准教授 (00176405)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今西 康雄 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50326253)
|
Keywords | 副甲状腺機能亢進症 / 副甲状腺ホルモン |
Research Abstract |
副甲状腺摘出術前に患者より文書にて同意を取得した上で、研究に使用する。 先の研究期間内に、我々はPTHのN端断片化がCaRを介すること確認した。まず、副甲状腺初代培養系でのシナカルセトによるPTH分泌抑制作用を図3に示すが、シナカルセト1nMによって既にBio-PTHは20%以下まで抑制されているが、I-PTHは約60%までの抑制である。そしてシナカルセトの増量により、さらにI-PTHは抑制される。完全長である1-84PTHの、1-84PTHとN端断片化PTHの総和に対する比率であるBio-PTH/I-PTH比は、N端断片化が進むにつれて低下する。このBio-PTH/I-PTH比がシナカルセトの投与によって低下することより、シナカルセトの投与によってN端断片の比率が増加することが示された(投稿準備中)。また、PC2マウスでも同様の結果を確認した。 予備検討により、既にPTH分子のN端断片化機構は、CaRを介することが明らかとなっているため、まずはヒト副甲状腺初代培養細胞系を用いたin vitro実験系により、CaRを介したどのようなシグナル伝達系がN端断片化機構に関与しているかを検討する。CaRのシグナルの少なくとも一部はMAPキナーゼを介しているとの報告があるために、MAPキナーゼに影響を及ぼす薬剤を中心に、シグナル伝達系の探索を進める。また、結果を見ながら、随時有望と思われる遺伝子を、siRNAを用いてノックダウンすることで、薬剤によって得られたデータを確認していく。勿論、以前より知られていたcAMP系も有望と考えられるので、dibutylic-cAMP等の投与によりPTH分子N端断片化が抑制されるかについても検討を行う。PTH分子N端断片化の検出については、以前に我々が報告したとおり、メディウムまたは血清のインタクトPTHとPTH(1-84)の測定を行うことにより容易にできる。 本実験と並行して、既知のプロテアーゼに対するプロテアーゼ阻害剤を投与し、PTH分子N端断片化が抑制されるかについても検討を行う。随時有望と思われるプロテアーゼ遺伝子を、siRNAを用いてノックダウンすることで、データを確認していく。
|
Research Products
(2 results)