2008 Fiscal Year Annual Research Report
水晶体におけるアミロイドβ蛋白の解析と認知機能との相関に関する研究
Project/Area Number |
20590987
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
玉岡 晃 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50192183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨所 康志 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80447250)
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 / 水晶体 / 白内障 / 認知症 / αBクリスタリン |
Research Abstract |
ヒト水晶体中にはアルツハイマ一病(Alzheimer's disease;AD)脳の特徴的蓄積物質であるアミロイドβ蛋白(amyloid β protein;Aβ)のAβ1-40やAβ1-42が同定されているが、本研究では、白内障の手術で得られた水晶体を用いて、Aβの定量をはじめとする生化学的検討を行う。本年度はまず認知機能が正常な対象の水晶体に含まれるAβの定量を行なった。白内障手術により破砕され、生理食塩水とともに回収された水晶体試料は、-20度で保存した。溶解時にプロテアーゼ阻害剤を加え混和した。10万G、4℃、1時間の超遠心後、水晶体試料のペレットを得た。こうして得られたペレットは、4℃、プロテアーゼ阻害剤の存在下でテフロン製マイクロホモジェナイザーを用いて、ホモジェナイズし、各種溶液にて水晶体蛋白をその可溶性に応じて連続的に抽出した。各分画のAβペプチドをAβx-40およびAβx-42に対するC末端特異的なELISA系にて定量した。TBS分画、Triton X分画並びにグアニジン分画では、AβはAβx-40およびAβx-42測定系のいずれにおいても検出感度以下であり、可溶性の高い状態では、その存在量はごく少量と考えられた。次に、アルツハイマー病脳でのAβペプチド蓄積と同様に、水晶体でもAβペプチドが、その蓄積に伴って重合・凝集し、その可溶性が極めて低下している可能性を想定し、アミロイドの拙出法に倣って、抽出性の極めて高いギ酸抽出を行った。一部サンプルのAβが測定感度以下であり、これらのAβ量を0と仮定した場合、N=39(sample No11〜49)でAβx-40は平均0.08 fmol/mgレンズSD=0.17であり、Aβx-42は平均0.28 fmo1/mgレンズSD=0.24であった。今後、年齢や認知機能などとの相関を解析していく予定である。
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Research Products
(5 results)