2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミオトニー症候群-Naチャネル病と筋強直性ジストロフィー症-の病態解明
Project/Area Number |
20590998
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 正紀 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (20359847)
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Keywords | 筋疾患 / ナトリウムチャネル / チャネル病 / 骨格筋 / シミュレーション / パッチクランプ / mRNA |
Research Abstract |
本研究はミオトニー症候群、とくに骨格筋Naチャネル病(先天性パラミオトニー、高カリウム性周期性四肢麻痺など)および筋強直性ジストロフィー症の病態を細胞・組織レベルで理解し、治療研究へ結びつけることを目的としている。本年度は首都大学および鹿児島大学の症例で見いだされた骨格筋Naチャネル病の新規変異Q1633EおよびP1158L変異について培養細胞を用いたパッチクランプ法にてチャネルのゲーティング機能の解析を行った。また本研究の最終目標のひとつは骨格筋のin silicoモデルを確立することであるが、まず変異Naチャネルのコンピューターシミュレーションを行なうためHodgkin-Huxleyモデルを主体にしたモデルをプログラミングした。上述のチャネル解析の実験データを使いモデルの検証を行い、病態を再現できることを確認した。いっぽう、筋強直性ジストロフィーにおけるチャネル発現・機能の解析も行い、まずモデルマウスを用いてカルシウム依存性カリウムチャネルの一種であるSKチャネルについて主に解析した。SK3チャネルmRNAの発現量やタンパク量を検討したところ、SK3チャネルmRNAが軽度増加していた。さらにこれまで骨格筋では注目されていなかったSK2チャネルについても解析を進めたところ、新たなスプライス変異体を同定することができた。この変異体チャネルの生理的意義などについてはまだ不明である。ミオトニー症状を増悪させる薬剤をモデルマウスに投与し組織を採取し、骨格筋組織内の種々のタンパクやそれらのmRNA発現量の変化を検討しているところである。
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