2009 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病におけるp62による蛋白sequestrationとオートファジー
Project/Area Number |
20590999
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中曽 一裕 Tottori University, 医学部, 助教 (30379648)
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Keywords | パーキンソン病 / p62(A170) / 蛋白分解 / オートファジー / 細胞内凝集体 / SQSTM1 / ユビキチンープロテアソーム系 / ストレス応答 |
Research Abstract |
[1] 実験的細胞内凝集体モデルを用いた研究 申請者はこれまでにPC12細胞を用い,プロテアソーム阻害による凝集体モデルを論文報告している.また,PC12細胞にp62DsRedを恒常発現し,蛍光顕微鏡下で容易にp62(A170)の発現状況・局在を観察できる細胞株をすでに確立している.さらにαシヌクレイン発現を薬剤で調飾可能なサイボウ株を樹立した.これらのモデルを用い, 凝集体形成過程でp62(A170)の発現量や細胞内分布の変化とともに,オートファジー関連分子との相互作用を検討した.αシヌクレイン過剰発現によりプロテアソーム活性が抑制され,p62(A170)の発現量が上昇した.さらにαシヌクレインは主にリソソーム系(オートブァジー)によって分解されていることを明らかにした. 申請者は,不要なタンパクが貯留した際に一種のストレス応答としてp62(A170)が転写レベルで発現誘導される事を学会報告した.これまでにp62の調節転写因子として知られるNrf2ではなく,むしろ他の転写因子(MAPKの下流の転写因子)によって調節されている事が示唆された. [2] p62(A170)KOマウス個体および皮膚線維芽細胞を用いた検討 筑波大学および複数の施設と共同でKOマウスを用いた研究を行い,論文投稿中である. また,筑波大学よりp62(A170)KOマウス由来の皮膚線維芽細胞の供与を受けている.KOマウス由来の細胞は,p62(A170)の凝集体形成,分解過程への関わりを観察する上で,重要な情報を与えうる.同細胞を用い,p62(A170)KOマウス線維芽細胞では凝集体形成状況が異なる可能性を示した.
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