2008 Fiscal Year Annual Research Report
本邦におけるDok-7変異型先天性筋無力症候群の遺伝子診断と治療法の研究
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20591000
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福田 卓 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 客員研究員 (50437894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 政勝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (70244093)
江口 勝美 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30128160)
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Keywords | 遺伝子診断 / 先天性筋無力症候群 / DOK-7 / 重症筋無力症 / 神経筋接合部疾患 |
Research Abstract |
先天性筋無力症候群(CMS)は遺伝的要因により神経・筋間の信号伝達が不完全となり脱力・易疲労性といった症状を呈する疾患である。まれな疾患ではないと考えられているが、国内からの報告はこれまで2〜3例にとどまっている。 Dok-7は2006年に東京医科歯科大学の山梨ら(連携研究者)により発見された蛋白であり、CMSのうち10〜40%はDok-7変異によるものと考えられている。国内におけるDok-7変異型CMSの症例集積と変異の解析によるDok-7遺伝子の病態への関わりの解明、さらにそこからCMSや筋無力症全般の治療法の開発を目指す、というのが本研究の目的である。 本年度はまず準備段階として、Dok-7遺伝子解析のためのPCR法による各エクソンの遺伝子増幅、遺伝子シークエンス解析の条件の最適化を行った。コントロールのDNAについて調整をすすめ、 Dok-7遺伝子の全翻訳領域およびエクソン周囲のイントロンについて遺伝子の解析が現在可能となっている。 同時に先天性筋無力症が疑われる症例に関する情報の収集を行った。関東地域、九州地域において本疾患が疑われる症例がみられたため、担当医師と連絡の上、血液献体を入手しDNAを抽出をおこない遺伝子解析を開始している。 特に小児科領域あるいは「抗体陰性の重症筋無力症」といった症例のなかに潜在的にCMS症例が存在する可能性があり、これまで以上に症例の集積に努めていく予定である。
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