2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経変性疾患におけるDNA修復能の検討と修復促進による治療基盤の確立
Project/Area Number |
20591008
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
上野 聡 Nara Medical University, 医学部, 教授 (40184949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 牧人 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50347548)
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Keywords | DNA修復 / 神経変性疾患 |
Research Abstract |
本研究の目的は、遺伝子異常が確認されている種々の神経変性疾患、特にParkin関連パーキンソン病、SOD1関連筋萎縮性側索硬化症、小脳失調症、ポリグルタミン病に共通するDNA修復異常の有無について検討し、その関与がある場合には、治療に応用する事である。 本年度はParkin関連パーキンソン病患者線維芽細胞において、酸化ストレス下で細胞死が誘導されること、それがDNA損傷蓄積を伴うことを見出し、報告した(Biochem Biophys Res Commun 2010 ; 391 : 800)。また、常染色体優性遺伝小脳失調症14型(SCA14)の原因遺伝子protein kinase Cγが常染色体劣性遺伝小脳失調症の原因遺伝子アプラタキシンのリン酸化を亢進し、核内輸送を妨げ、結果としてDNA修復蛋白でもあるアプラタキシンの核内欠乏を来たすことで、DNA損傷が蓄積し神経細胞の障害が生じることを証明した(Hum Mol Genet 2009 ; 18 : 3533)。以上から、Parkin関連パーキンソン病がDNA損傷修復に関与していること、またSCA14もDNA修復蛋白アプラタキシンの関与する疾患であることを示唆した。
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Research Products
(10 results)