2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しいコイルによる馬尾・脊髄刺激可能な磁気刺激法開発の基礎的研究とその臨床応用
Project/Area Number |
20591019
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
花島 律子 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (80396738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 安生 東京大学, 医学部・附属病院, 助教 (20343139)
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Keywords | 磁気刺激法 / 腰部神経根 / 最大上刺激 / 磁気刺激コイル / 神経内科 / 神経生理学 / 末梢神経 / 運動神経 |
Research Abstract |
本年度は、磁気刺激法たて腰部神経根刺激を従来の方法よりも効率的に行うことを目的に、工学的知見を基礎に考えて、刺激め影響がより深部に達すると考えられる大型の円形コイルを腰部神経根刺激に使用することとした。実際に今年度試したのは、従来のコイルの約倍の痙(半径10cm)の大型円形コイルである。今年度はまずこのコイルを用いた場合には、正常被検者で最大上刺激に達することができるか検討した。下肢筋から運動誘発電位を記録し、徐々に磁気刺激の強度を上げていき、最大上刺激になるか確認した。この結果、従来のコイルでは最大上刺激に達しなかった正常被検者に率いても、この大型コイルを用いた場合には、最大上刺激に達することが確認できた。更に、それぞれの筋肉に対して最適な刺激箇所を見らけるため、コイルの場所や方向を少しずつ変化させて反応の大きさを比較して、一番刺激の効率の良い刺激法を正常者で確立した。これらのデーターを学会で発表すると共に、論文にまとめ投稿した。採択され、来年度に発表される予定である。この成果により、従来最大上刺激に達することが困難であらた腰部神経根磁気刺激法においても、正常者では最大上刺激が得られるようになり、大変有益な成果が得られたと考えられる。この方法を用いることで、今後末梢神経障害の患者において神経伝導ブロックの有無を検討することが可能となり重要な意義がある。 更に今年度は磁気刺激法を用いた検査法や神経疾患患者での検査に精通するため、大脳皮質刺激および脳幹部磁気刺激も行った。さまざまな方塔での運動誘発電位の解析もあわせて行うことで、磁気刺激による神経根刺激法による運動誘発電位の解釈法に深い理解を得ることができた。
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