2008 Fiscal Year Annual Research Report
正常および脳病態下のヒト言語・運動機能の脳内回路動態の解明
Project/Area Number |
20591022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 理器 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (00378754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90212761)
三國 信啓 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60314217)
澤本 伸克 京都大学, 医学研究科, 助教 (90397547)
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Keywords | ネットワーク / てんかん / 皮質電気刺激 / 誘発電位 / 硬膜下電極 / MRI / 拡散強調画像 / 皮質間結合 |
Research Abstract |
本年度は、皮質電気刺激、皮質皮質間誘発電位(cortico-cortical evoked potenital:CCEP)、および拡散強調画像によるprobabilistic diffusion tractographyを用いて、機能と構造の面から言語・高次運動機能にかかわる脳内回路の青写真の同定を試みた。 1.行為遂行にかかわる前頭・頭頂葉ネットワーク 行為遂行には種々の感覚情報の運動出力系への変換が必要で、その障害で失行が生じると想定されている。術前評価のために前頭・頭頂葉に硬膜下電極を留置した難治部分てんかん症例で、CCEPとtractographyの手法を用いて複合的に前頭・頭頂葉間の脳内回路を同定した。外側頭頂葉から外側前頭葉へは、主として上縦束を介して皮質間結合が見られたが、内側前頭葉へは視床・基底核を介した脳内回路が存在した。国内・国際学会で成果発表した。 2.前方・後方言語野間ネットワークを担う弓状束の側方性の検討 和田テストで言語優位半球が同定された症例において、前方・後方言語野を結合する弓状束の側方性を検討した。Tractographyの検討では、前頭・側頭葉間の弓状束は言語優位半球でより強固で、病変による側方性の変容がみられた。論文発表した。 3.皮質電気刺激による側頭葉底部言語野の機能・解剖的解析 側頭葉底部言語野は、下側頭回・紡錘回に位置し、脳血管障害の病変研究で同定された後方領域のみならず前方領域にも認められ、後者は脳内語彙処理に関与していると推定された。
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