2009 Fiscal Year Annual Research Report
正常および脳病態下のヒト言語・運動機能の脳内回路動態の解明
Project/Area Number |
20591022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 理器 Kyoto University, 医学研究科, 助教 (00378754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90212761)
三國 信啓 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60314217)
澤本 伸克 京都大学, 医学研究科, 助教 (90397547)
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Keywords | ネットワーク / てんかん / 皮質電気刺激 / 誘発電位 / 硬膜下電極 / MRI / 拡散強調画像 / 皮質間結合 |
Research Abstract |
本年度は、皮質電気刺激、皮質皮質間誘発電位(cortico-cortical evoked potenital:CCEP)、および拡散強調画像によるprobabilistic diffusion tractography (PDT)を用いて、機能と構造の面から行為遂行にかかわる脳内回路を同定した。 行為遂行には種々の感覚情報の運動出力系への変換が必要で、その障害で失行が生じると想定されている。昨年度は行為遂行にかかわる外側頭頂・前頭葉ネットワークの青写真を同定したが、本年度はこれらのネットワークの機能について皮質電気刺激による皮質機能マッピングと術後予後の観点から検討した。難治頭頂葉てんかんの患者の術前機能マッピングとして頭頂葉連合野の高頻度電気刺激による皮質機能マッピングを施行した。皮質電気刺激により到達運動が障害された上頭頂小葉領域からは、背側運動前野にネットワークが形成されていた。高頻度皮質電気刺激により道具使用のパントマイム障害が見られた下頭頂小葉(縁上回)からは、腹側運動前野にネットワークが形成されていた。本ネットワークを温存しての頭頂・側頭葉皮質のてんかん焦点切除では、道具使用、パントマイムは可能で、観念運動失行は見られなかった。電気刺激による皮質機能マッピングと皮質間結合の同定検査(CCEP, PDT)を併用することで、行為遂行にかかわる種々のネットワークの同定が個別に可能と考えられ、高次脳機能マッピングに有用と考えられる。研究会で発表し、論文準備中である。 個々の患者における高頻度皮質電気刺激による皮質機能マッピングは、脳機能外科領域での機能マッピングの中核検査と従来から見なされている。本年度はこれらの高頻度電気刺激検査の知見を臨床システム神経科学の分野に還元することを目的に、運動野の標準脳でのライブラリ作成を試み、学会報告した。
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Research Products
(8 results)