2010 Fiscal Year Annual Research Report
正常および脳病態下のヒト言語・運動機能の脳内回路動態の解明
Project/Area Number |
20591022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 理器 京都大学, 医学研究科, 助教 (00378754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 昭夫 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90212761)
三國 信啓 京都大学, 医学研究科, 准教授 (60314217)
澤本 伸克 京都大学, 医学研究科, 助教 (90397547)
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Keywords | 機能的結合性 / 言語 / 行為 / ネットワーク / 皮質電気刺激 / 誘発電位 / 標準脳 / てんかん |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、皮質電気刺激、皮質皮質間誘発電位(cortico-cortical evoked potential : CCEP)の手法を用いて、言語と行為遂行にかかわる脳内回路の同定および回路動態の解明を行った。 1.標準脳における言語、行為に関わるネットワークの同定 我々はこれまで言語、行為にかかわる皮質領野、皮質間ネットワークを個々の患者脳で同定し、ヒト脳機能の解明と同時に個々の症例への還元を目指してきた。本年度はこれらの知見をシステム神経科学ヘフィードバックすることを目的に標準脳でのライブラリ作成を行った。言語ネットワークに関しては、意味処理にかかわる側頭葉底部言語野の解剖的位置を側頭葉てんかん患者で検討し、個人脳レベルでは脳溝・脳回との関連で(前部紡錘回に大半が位置)、標準脳ではMNI座標系で同定した(論文準備中)。また、本年度は、個々の患者データを標準脳に集約することで、ヒト剖検脳の細胞構築に基づいた前頭葉・頭頂葉区域間の行為遂行にかかわるネットワークを明らかした(論文改訂中、国際学会発表予定)。 2.読字にかかわる脳内回路動態の解明 個々の患者で同定された言語機能の脳内回路の動態、すなわち特定の脳機能に関連した脳内回路の動的な結合性の変容を、脳内回路を介して記録されるCCEPの振幅・分布を機能的結合性の指標として検討した。安静時を対照に読字課題遂行時のCCEPの振幅・分布の変容を検討し、読字に関わる言語ネットワークの回路動態を解析した。読字では安静時に比べ、CCEPで反映されるネットワークの機能的結合性が読字にかかわるネットワークでは増強され、一方読字にかかわらないネットワークでは変容がみられなかった(国内学会発表、論文準備中)。言語課題遂行中の言語関連の脳内回路の動的変容が示唆され、本手法は"system mapping"として臨床脳機能マッピングへの応用が期待される。
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Research Products
(25 results)