2009 Fiscal Year Annual Research Report
認知症脳におけるタウ蛋白リン酸化・脱リン酸化酵素複合体に関する病態解析
Project/Area Number |
20591024
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
川又 敏男 Kobe University, 保健学研究科, 教授 (70214690)
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Keywords | 認知症 / 細胞内シグナル伝達 / タウ蛋白 / 蛋白リン酸化酵素 / 蛋白脱リン酸化酵素 / 神経細胞変性 |
Research Abstract |
アルツハイマー型認知症(AD)や、タウ病としても分類される非アルツハイマー型を含めた認知症の患者脳組織には、タウ蛋白が異常代謝され重合した神経原線維変化(タングル)が形成される。タングル数はADで認知症程度との相関を認め、タウ蛋白代謝異常は神経細胞変性との関連が推定されている。その異常代謝の初期段階には異常かつ過剰なタウ蛋白リン酸化の起きることが報告されており、本研究ではタウ分子のリン酸化・脱リン酸化バランスや反応部位の破綻という視点から、リン酸化酵素・脱リン酸化酵素複合体や同活性複合体の機能を修飾する分子の細胞内局在・シグナル伝達の変化を解析した。 具体的には、リン酸化修飾により活性調節を受ける重要な蛋白リン酸化酵素・脱リン酸化酵素分子や、それら細胞内会合分子に対する特異抗体を調整した後、高感度免疫組織化学法を用いて、細胞内会合分子のひとつFKBP12あるいはPKC・PKBをはじめ多くの重要リン酸化酵素の機能を修飾するphosphoinositide-dependent protein kinase 1(PDK1)やその上流因子PTENあるいは低分子量PPIase、FKBP12の組織内・細胞内局在を検討した。その結果、FKBP12分子がAD脳で細胞内タングルに共局在しタウの高次構造を変化させ、あるいは脱リン酸化酵素PP2Bを介してタウのリン酸化調節に関与している可能性を発見し、国際誌に発表した。さらに、PIP3を脱リン酸化しPDK1活性をnegativeに調節する腫瘍抑制因子PTENがヒト脳正常ニューロンで細胞核・細胞質に存在し、AD脳変性ニューロンでは細胞内タングル・変性神経突起などタウ病理に再分布し蓄積することを発見、2009年度の北米神経科学会にて一部を発表すると共に、国際誌に発表した。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] A peptidyl-proryl isomerase, FKBP12, accumulates in Alzheimer neurofibrillary tangles2009
Author(s)
Sugata H, Matsuo K, Nakagawa T, Takahashi M, Mukai H, Ono Y, Maeda K, Akiyama H, Kawamata T
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Journal Title
Neuroscience Letters 459
Pages: 96-99
Peer Reviewed
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