2008 Fiscal Year Annual Research Report
慢性期脳梗塞の病態におけるStat3リン酸化の意義
Project/Area Number |
20591029
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 重明 Keio University, 医学部, 講師 (50276242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨田 裕 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60276251)
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Keywords | Stat3 / leukemia inhibitory factor / 脳梗塞 / リン酸化 / 神経保護 / 脳循環 |
Research Abstract |
Stat3のリン酸化が、慢性期においても神経保護的に働くか否かを、神経症状ならびに組織学的により評価する。そのメカニズムとしてグリア系・血管内皮細胞の動態と脳循環・糖代謝の変化につき多角的に検証していく目的で研究を開始した。 Stat3をリン酸化するサイトカインとしてleukemia inhibitory factor (LIF)の脳室内投与を試みた。体重250gの雄性SDラットを、既報告(Suzuki et al. J Cereb Blood Flow Metab19:1256-1626,1999)の方法に従い、ラット中大脳閉塞モデルを作成し90分閉塞後、再灌流を行なった。皮下埋め込み式ポンプ(Alzetosmotic pomps)により、1週間かけて脳室内に持続的にrecombinant LIFの投与を行い、経時的に神経症状のスコアや血圧、体重のモニターを行ったところ、コントロールとして生理食塩水を投与する群と比較したところ有意差はなかった。急性期の動物モデルでLIF投与によりStat3のリン酸化の活性化を観察したが、慢性期では薬剤の効果が充分に得ることができなかった。薬剤投与法の変更を中心としたプロトコール自体の見直す必要性があった。 脳虚血におけるStat3の意義について、中心的なリガンドであるLIFを含めたIL-6cytokine familyと脳虚血に関する、最新の研究成果を総括した。その成果を脳循環代謝領域における最も権威のあるJ Cereb Blood Flow Metabにreviewとして発表した(Suzuki S, et al. J Cereb Blood Flow Metab29,464-479,2009)。
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Research Products
(1 results)