2008 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞へのアクアポリン1過剰発現による骨格筋再生能促進と筋疾患治療への応用
Project/Area Number |
20591030
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
若山 吉弘 Showa University, 医学部, 教授 (40138467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒田 悟 昭和大学, 遺伝子組換え実験室, 准教授 (20159502)
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Keywords | アクアポリン1 / 骨格筋 / 再生 / 血管内皮 / 治療 |
Research Abstract |
アクアポリン(AQP)1が血管内皮細胞の増殖を促進し、組織の再生、修復、腫瘍の増殖などに促進的に作用すると報告された(Nature434:786-792,2005)。従って、 AQP1を筋内血管内皮に過剰発現させ、Duchenne筋ジストロフィー症をはじめとする筋萎縮性疾患の骨格筋再生を促進させ、治療への応用を検討するため本研究を開始した。平成20年度には、マウスAQP1をクローニングしアデノウイルスベクターを構築した。マウス骨格筋の血管内皮には元々AQP1が発現しているので、これとの区別のためにアデノウイルスベクターに組み込んだAQP1遺伝子のC端にはV5tag蛋白の発現遺伝子を付した。対照用としてAQP1を組み込まない空のアデノウイルスにLacZを組み込んだアデノウイルスベクターを構築した。正常マウスの後肢筋にブビバカインを注入し正常マウス骨格筋の壊死再生モデルを作製したが壊死再生が概して弱いため、これに一部機械的挫滅操作を加えて、壊死再生を強くした。ここへ実験群としてAQP1を組み込んだアデノウイルスベクターを注入した。また対照群としてAQP1のないLacZを組み込んだアデノウイルスベクターを注入し、実験群、対照群ともそれぞれのアデノウイルスベクターを注入後3日目にマウスをcervical dislocationで屠殺し、骨格筋壊死再生部位を採取した。組織をHE染色や免疫組織化学的に抗AQP1抗体、抗V5tag抗体、抗PECAM抗体などで染色し標本を作製した。実験群、対照群とも抗AQP1抗体染色陽性の血管は多数存在し、実験群にて抗V5抗体染色陽性血管も存在したが、骨格筋の壊死再生部位には雑多な種類の細胞が入り乱れて存在しているので、現在2群間での筋再生能の差異を詳細に検討中である。
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