2009 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞へのアクアポリン1過剰発現による骨格筋再生能促進と筋疾患治療への応用
Project/Area Number |
20591030
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
若山 吉弘 Showa University, 医学部, 教授 (40138467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒田 悟 昭和大学, 遺伝子組換え実験室, 准教授 (20159502)
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Keywords | アクアポリン1 / 骨格筋 / 再生 / 血管内皮 / 治療 |
Research Abstract |
アクアポリン(AQP)1が血管内皮細胞の増殖を促進し、組織の再生、修復、腫瘍の増殖などに促進的に作用すると報告された(Nature 434 : 786-792,2005)。従って、AQP1を筋内血管内皮に過剰発現させ筋萎縮性疾患の骨格筋再生を促し、治療へ応用するため本研究を開始した。平成20年度には、実験群には(1)クローニングしたマウスAQP1を、対照群には(2)Lac Zを組み込んだアデノウイルスベクターを構築した。マウス骨格筋の血管内皮の内因性のAQP1との区別のためにAQP1遺伝子のC端にはV5tag蛋白の発現遺伝子を付した。正常マウス(平成20年度)、mdxマウス(平成21年度)の後肢筋にブビバカインを注入し組織を壊死再生させ、実験群、対照群用としてそれぞれ作製した(1)(2)のアデノウイルスベクターを注入し、注入3日後にマウスを屠殺し、骨格筋壊死再生部位を採取した。組織をHE染色や免疫組織化学的に抗AQP1抗体、抗V5tag抗体、抗PECAM抗体などで染色し標本を作製した。実験群、対照群とも抗AQP1抗体染色陽性の血管は多数存在し、実験群にて抗V5抗体染色陽性血管も存在し、現在2群間での筋再生能の差異を検討中である。更に採取組織片からtotal RNAを抽出し、real-time RT-PCR法にてAQP1 mRNAレベルを測定した。結果は、正常マウスでは上記(1)のベクターを投与した群8匹と(2)のベクターを投与した群6匹でmean±SEがそれぞれ0.30±0.04、0.36±0.06で有意差なし(P>0.1)。mdxマウスでは(1)、(2)のベクターを投与した群がそれぞれ9匹、8匹でそれぞれ0.19±0.03、0.15±0.02で、AQP1遺伝子を組み込んだベクターを投与した方がAQP1 mRNAはやや多い傾向がみられたが統計的に有意ではなかった(0.2<P<0.3)。
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