2009 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病非運動症状の病態解明と早期診断への応用
Project/Area Number |
20591031
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
河村 満 Showa University, 医学部, 教授 (20161375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 秀友 昭和大学, 医学部, 助教 (60384476)
小早川 睦貴 昭和大学, 医学部, 普通研究生 (80445600)
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Keywords | パーキンソン病 / 非運動症状 / 早期診断 |
Research Abstract |
本研究の目的は、Parkinson病(以下PD)の早期診断を可能にするため、PDの運動症状が現れる以前の非運動症状の進行プロセスを探ることである。この目的を達成するため、PDの運動症状、感覚症状、社会的認知機能障害、自律神経障害の発症順序を検討し、これら症状を評価するためのテストバッテリーを開発し、治療に対する反応を調べる。 今年度は、昨年度からの継続として、REM睡眠行動異常症患者を対象として感覚障害、社会的認知障害、自律神経障害の発症の有無や症状の推移を追跡した。これらの患者に対して、表情認知検査(Kan, Kawamura et al. 2002, 2004 ; Suzuki, Kawamura et al. 2006)、意思決定検査(Mimura, Kawamura et al. 2006, Kobayakawa, Kawamura et al. 2008)および嗅覚検査等の神経心理検査を経時的に測定し、それぞれの検査項目に関する障害程度の推移を検討した。結果として、REM睡眠行動異常症例ではこれらの課題において成績低下を示すことが明らかとなった。これと並行して、MIBG心筋シンチグラフィーやPETによるドパミン機能のイメージングを行った。すると、認知機能障害の成績が低下している症例においてドパミン機能の低下が見られた。一方、MIBG心筋シンチグラフィーは認知機能が低下している症例でも、正常な症例でも低下していた。こうした結果は、REM睡眠行動異常症例における症状パターンが症例により異なり、今後の進行にも違いがあることが予測される。これらの結果から、社会的認知機能検査やMIBG心筋シンチグラフィーなどの自律神経機能検査を組み合わせることで診断の精度を向上させることが可能と考えられる。
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Research Products
(12 results)