2009 Fiscal Year Annual Research Report
軽度認知障害の原因疾患としての海馬硬化性認知症の臨床・分子病理学的研究
Project/Area Number |
20591034
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
山崎 峰雄 Nippon Medical School, 医学部, 講師 (10277577)
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Keywords | 海馬硬化 / TDP-43 / 軽度認知障害 |
Research Abstract |
アルツハイマー型認知症治療の重要な標的は軽度認知機能障害(MCI)であるが、MCIの全てがアルツハイマー型認知症に進展するわけではない。最近の臨床病理学的研究からは、嗜銀顆粒性認知症や海馬硬化性認知症などもMCIの重要な構成疾患として注目されてきているが、今回の検索対象である海馬硬化性認知症の病態はほとんど判明していない。 これまでの検討で、純粋な海馬硬化性認知症は剖検例で検索することが困難であったため、平成21年度は、小脳プルキンエ細胞の脱落を伴わず、海馬神経細胞が比較的選択的に脱落している症例の検討を継続した。対象は研究代表者が連続剖検を検索している認知症専門病院におけるアルツハイマー型認知症(AD)と以前から研究対象として検索しているグアム島パーキンソン認知症(PDC)である。平成20年度に観察された所見(市販ポリクローナル非リン酸化TDP-43抗体を用いた免疫染色で、本来正常神経細胞は核の染色性が保たれているが、ADやPDCの海馬ではTDP-43陽性封入体を伴わずに、核の染色性が失われている)が、様々な程度で認められ、海馬神経細胞の脱落の程度や他の神経病理所見との相関の有無を検討した。現時点では、TDP-43核染色性の消失と有意な相関をみとめた所見・現象は認められていないが、引き続き検討を継続する。
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Research Products
(2 results)