2008 Fiscal Year Annual Research Report
マトリックスメタロプロテアーゼ阻害薬を用いた筋ジストロフィー薬物治療の基礎的研究
Project/Area Number |
20591035
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
萩原 宏毅 Teikyo University of Science & Technology, 医療科学部, 教授 (80276732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 史明 帝京大学, 医学部, 助教 (40286993)
松村 喜一郎 帝京大学, 医学部, 准教授 (50260922)
清水 輝夫 帝京大学, 医学部, 教授 (00107666)
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Keywords | マトリックスメタロプロテアーゼ / ジストログリカン / 筋ジストロフィー / モデル動物 / 神経科学 |
Research Abstract |
本研究課題では、マトリックスメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinase; MMP)阻害薬が筋ジストロフィーの薬物治療として有効であるか検討することを研究の目的としている。私たちはこれまでの研究で、ヒトのデュシェンヌ型筋ジストロフィーやサルコグリカノパチーの骨格筋において、MMP活性が特異的に上昇していることを見出した。またそのMMPの特異的な阻害薬としてBPHAを同定した。 本年度は研究実施計画に基づいて以下の研究を実施した。 1、骨格筋由来の培養細胞(C2C12細胞等)にてβDGの分解を検討し、それに対するMMP特異的阻害薬BPHAの効果を検討した。その結果、培養細胞においてβDGは分解を受けており、その分解はMMP阻害薬BPHAにて有効に抑制されることを見出した。 2、筋ジストロフィーモデル動物に対するMMP特異的阻害薬(BPHA)の投与の準備を開始した。本年度は実際に阻害薬を投与する前の予備実験として、モデル動物でのMMP活性を測定した。その結果、モデル動物の骨格筋においてMMP活性が特異的に上昇していることを確認した。 次年度以降はこれらの結果を踏まえて、実際にモデル動物にMMP特異的阻害薬を投与し、その効果の検討を進めていく予定である。また本年度の検討で、βDGの分解は骨格筋由来の培養細胞のみならず、末梢神経由来の培養細胞等でもみられる普遍的な現象であることが明らかになった。また興味深いことに、βDGのみならず、αDGもプロセスされていることが判明した。さらに、このプロセシングはMMPとは別の機序が示唆された。次年度以降は、これらDGのプロセシングにも視野を広げて研究を展開していきたい。
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