2008 Fiscal Year Annual Research Report
TORCシグナルの耐糖能障害への役割および新規結合蛋白のクローニングと解析
Project/Area Number |
20591050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
迫田 秀之 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (50376464)
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Keywords | インスリンシグナル伝達系 / 糖尿病 / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
患者数が増大傾向にあり、その重篤な合併症が大きな社会問題となっている2型糖尿病は、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性によって発症する。mTOR (mammalian target of rapamycin)シグナルは、食事、運動によってその活性が調整を受けることから、インスリン抵抗性、糖尿病発症に重要な役割を果たしているものと考えられる。mTOR complex1は、p70 S6キナーゼ、4E-BP1を介して、細胞成長や蛋白質合成を促進する。一方、mTOR complex 2はインスリンシグナル伝達系の中心にあるAktのSer473をリン酸化し活性化するPDK2の候補と考えられている。われわれは、raptorのC端を欠損させる手とで、mTORc1を抑制させるアデノウイルスを件製し、マウ来肝に過剰発現させることで、耐糖能改善効果を認めることができた。さらに、mTORc1/2の共通構醸蛋白であるLST8に注目しその発現量の変化が下流へのシグナル伝達に重要であることを見出した。また、mTORclと血TORc2の間での、LST8の移動によってシグナルの方向性が変わることを見出した。今後更に、他のmTO早complex構成蛋白(REDD1/2, PRAS40, PRR5など)のクローラングやアデノウイルス、特異抗体の作製を進め、糖尿病モデル動物での発現量変化や活性などの検討を加える予定である。
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