2009 Fiscal Year Annual Research Report
mtROSの血管内皮細胞-Mφ相互作用への関与とその制御による糖尿病性腎症の抑制
Project/Area Number |
20591065
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西川 武志 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 講師 (70336212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮村 信博 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (40274716)
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Keywords | 糖尿病 / 糖尿病合併症 / ミトコンドリア / 活性酸素 / MnSODA / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
申請者らは糖尿病血管合併症発症機序として「高グルコースによるミトコンドリア由来活性酸素(mtROS)過剰産生」の意義を提唱している。またmtROSの特異的除去酵素であるMnSODを内皮細胞特異的に発現させたトランスジェニックマウスを新規作成している。本年度は主に、以下の1~2を行った。 1. ワイルドタイプマウスおよびMnSODトランスジェニックマウスより、腎臓を単離した後、mesh sieving法とfine mince法を利用して、腎糸球体内皮細胞の培養系を確立した。 2. 上記、培養腎糸球体内皮細胞を高グルコース下で培養し、高グルコース培養でVEGF発現増加が認められること、またMnSODの過剰発現がVEGF発現を抑制することを確認した。 さらに、申請者らはメタボリックシンドローム因子に対する生活習慣介入効果の検討とメタボリックシンドロームの発現におけるmtROSの関連も検討し、本年度は、以下の1~2を明らかにした。 1. 4ヶ月間の生活習慣改善介入によりメタボリックシンドローム因子の改善効果が認められ、その効果がインスリン抵抗性の改善効果に依存していることを確認した。 2. メタボリックシンドローム予備群において、インスリン抵抗性の発現のみならず、インスリン初期分泌低下の発現が加わると、より動脈硬化症の進展が著明であり、これらの対象者ではmtROSが増加していることを確認した。
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