2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591066
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
長谷川 剛二 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科, 准教授 (00295643)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石神 昭人 東邦大学, 薬学部, 准教授 (50270658)
|
Keywords | 糖尿病 / 老化 / 生体分子 / インスリン |
Research Abstract |
Senescence Marker Protein-30(SMP30)は肝臓での発現量が加齢に伴い減少することからプロテオーム解析により発見された。SMP30の減少が臓器障害の閾値を低下させ高齢者における臓器障害の背景になることが示唆されている。今回、SMP30の糖代謝における役割を検討した。<方法>雄SMP30欠損マウス(SMP30Y/-:KO)および野生型マウス(W)に7週令から高脂肪食(HFD)もしくは通常食(CD)を投与。15週令(投与8週)で耐糖能障害の解析、膵島の組織・形態学的検討を行った。<成績>KOはWに比し低体重であったが、HFD、CDによる体重増加量に差はなかった。CDではKOの随時血糖はWに比しわずかに上昇した。糖負荷試験でKOの負荷後30分血糖値が有意に高値であり同インスリン値は有意に低値であった(1.74±0.28vs1.09±0.14ng/ml,P<.02)。インスリン負荷試験でKOのインスリン感受性はWよりも良好であった。HFDによりKO、Wともに耐糖能の悪化を認め、糖負荷後血糖はCD投与時と同様にKOが高値であった。負荷前、後30分インスリン値はKOが有意に低値であった。KOは膵HE染色、膵インスリン含量、β-cell mass、膵ランゲルハンス島細胞増殖(BrdU index)に差を認めず、HFDによるこれらの代償性増加はWと同様であった。<結論>グルコース刺激早期インスリン分泌障害がSMP30欠損マウスの耐糖能障害の原因であると考えられた。SMP30減少が加齢に伴う耐糖能障害に関与する可能性が示唆された。SMP30が加齢に伴う膵β細胞のインスリン分泌障害の原因となる新規分子である可能性が示された。
|