2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591066
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
長谷川 剛二 京都府立医科大学, 医学研究科, 准教授 (00295643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石神 昭人 東邦大学, 薬学部, 准教授 (50270658)
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Keywords | 糖尿病 / 老化 / 生体分子 / インスリン |
Research Abstract |
1. Senescence Marker Protein-30(SMP30)の減少が高齢者における耐糖能障害の一因になる可能性をSMP30ノックアウトマウス(KO)を用いて示した。今回、そのインスリン分泌障害機序を単離ランゲルハンス島を用いて検討した。分泌実験ではグルコース、塩化カリウム刺激インスリン分泌はKOで有意に低下していた(P<0.05)。一方、グルコース刺激下ATP含量に差はなかった。以上より、インスリン分泌機構の抹消レベルでの障害による早期グルコース刺激インスリン分泌障害がKOにみられる耐糖能障害の原因と考えられた。SMP30の減少は、現在増加している高齢糖尿病の一因として寄与する可能性がある。今後のさらなる検討により、SMP30は糖尿病のバイオマーカーあるいは治療標的としての有用性が期待される。 2. SMP30は哺乳類のビタミンC(VC)合成経路の酵素であるグルコノラクトナーゼと同一である。VC欠乏モデルとしてKOを用いVCのインスリン分泌における役割を検討した。KOと野生型マウス(WT)を8週令からVC補充条件あるいは不足条件で飼育。8週間後に糖負荷試験、インスリン負荷試験、単離ラ氏島を用いた分泌実験、ATP含量の測定を行った。VC欠乏はインスリン分泌低下による耐糖能障害を引き起こし、インスリン分泌機構においてVCの作用点は解糖系からミトコンドリア電子伝達系に存在することが示された。KOはVC欠乏モデルマウスとして、未だ解明されていないVCのインスリン分泌機構における役割の検討に有用である。
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