2010 Fiscal Year Annual Research Report
終末糖化産物受容体及びその可溶性受容体を標的とした肥満・動脈硬化の制御
Project/Area Number |
20591067
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小山 英則 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (80301852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 真也 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90381996)
田中 新二 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20448749)
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Keywords | 終末糖化産物 / RAGE / 肥満 / PPAR / メタボリックシンドローム / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
糖尿病の慢性合併症の成因において、終末糖化産物(advanced glycation end-products, AGEs)とその受容体receptor for AGEs(RAGE)は、中心的な役割を果たすことが想定されている。平成20-21年度の研究において、(1)終末糖化産物受容体(receptor for AGEs, RAGE)が高脂肪食負荷による肥満、動脈硬化、血中アデイポネクチン濃度に深く関与すること、(2)RAGEが脳虚血進展に影響すること、(3)糖尿病マウスの骨髄による血管新生反応低下にRAGEが関与すること、(4)臨床的にはヒトAGE沈着が動脈硬化危険因子と考えられる血中血管内皮前駆細胞数の低下に関与することが明らかになった。本年度は、RAGE発現を抑制する可能性が指摘されているPPARγ agonistによる肥満、脳虚血に対する作用がRAGEの有無により影響を受ける可能性を、RAGEノックアウトマウスとその野生型マウスを比較することにより検討した。RAGE欠失により高脂肪食による体重増加が有意に抑制され、内臓脂肪重量、脂肪細胞サイズも野生型に比べて減少していた。PPARγ agonistであるpioglitazoneはマウスの体重を増加させたが、内臓脂肪重量を有意に減少させた。この効果はRAGEノックアウトマウスでも認められ、RAGEの有無に独立して観察された。また、昨年度に引き続き、本年度も研究成果を英文著書としてまとめ、採択されている。AGE/RAGE as a mediator of insulin resistance or metabolic syndrome : another aspect of metabolic memory?(InTech-Open Access Publisher).
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