2010 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおける頚動脈硬化症の2元的特性に関する臨床的意義の確立
Project/Area Number |
20591068
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
絵本 正憲 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (90275248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 克仁 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60382040)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 糖尿病 / インスリン抵抗性 / 動脈硬化 / 人工膵臓 / 血管内皮機能 / 頸動脈IMT |
Research Abstract |
(1) 平成20年度から実施している頸動脈内膜中膜肥厚度(IMT)およびstiffness parameter β、平成21年度からは血管内皮機能である内皮依存性血管拡張反応(FMD)・ニトログリセリン誘発性血管拡張反応(NMD)(UNEXEF 18G)の評価を追加している。本年度は、評価症例を2型糖尿病190例(年齢64±11(SD)歳、罹病年12±10年)に増加、各動脈硬化サロゲートマーカに対する動脈硬化危険因子の寄与について検討した。FMDでは、細小血管症や心血管疾患合併有無による差は認めず、NMDでは両者合併群では有意に低下した。慢性腎臓病ステージ進行群ではNMDは顕著に低下した。FMDに影響する独立因子は、喫煙・血圧・HbAlc、NMDに対しては、年齢・eGFRが抽出され、動脈硬化サロゲートマーカにより危険因子の影響が異なることが示唆され、平成23年6月度米国糖尿病学会での発表に採択されている。また、新しい動脈硬化候補因子として、血中TRAIL(Tumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand)濃度を測定し、蓄積したデータベースからの2型糖尿病416例における頸動脈IMTとの関連を検討し、心血管疾患合併例ではIMTと有意な負相関(p=0.034)を認め、新たなバイオマーカの可能性が示され、本成績は雑誌Diabetes Res Clin Pract(2011)に掲載された。 (2) 最新型人工膵臓STG-55(日機装社製)によるインスリン抵抗性評価は、製造会社による同装置システム修正があり当初の予定より遅れたが、現在、新システムにより4例順調に実施しており、今後継続してデータ収集を行う予定である。
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Research Products
(8 results)