2010 Fiscal Year Annual Research Report
IKdelay電流のKATP非依存性インスリン分泌への関与と新規GLP-1経路
Project/Area Number |
20591071
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
加計 正文 自治医科大学, 医学部, 教授 (90214270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
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Keywords | Kvチャネル / 膵β細胞 / 膜電位 / インスリン分泌 / 脱リン酸化 / カルシニューリン |
Research Abstract |
Kdelay電流(以下Kvチャネル電流)のグルコース代謝依存性について研究した。以下の研究成果を得た。Kvチャネル電流は 1. グルコース代謝でチャネル活性が調節され、低グルコースで電流増加がみられる。 2. グルコース濃度上昇で活性増加がみられるがこれは膜電位が陽電位側でみられる。 3. 高グルコースで、負電位側ではむしろ活性の減少がみられた。 4. これはチャネルの活性化曲線がグルコース濃度増加で陽電位側へシフトするためであった。 5. このシフトはMgATP依存性であった。 6. このシフトはチャネルリン酸化が関与していることが示唆された 7. グルコース刺激電気活動活性化時にもKvチャネル活性の調節が観察された。 8. 脱リン酸化阻害剤ではこれらの現象(低グルコースで電流増加)が見られなかった。 9. 脱リン酸化には細胞内Ca^<2+>濃度増加が関与していた。 10. この脱リン酸化酵素はカルシニューリンと思われた。 以上より、β細胞のKvチャネルはチャネル蛋白のリン酸化と脱リン酸化によって調節を受けているが、この蛋白はKv2.1チャネルである。その重要な調節因子は細胞内Ca^<2+>である。チャネルは基本的にはリン酸化されており、Ca^<2+>依存性に脱リン酸されるとチャネル蛋白の活性化曲線が左方(負電位側)へシフトすることでチャネル電流の増加がみられる。このことはグルコース刺激によるβ細胞インスリン分泌に対してはnegative feedback作用と考えられ、インスリン分泌においては重要な働きであることが示唆される。この脱リン酸化酵素はカルシニューリンが考えられる。β細胞は複数の種類のKvチャネルが発現しているが、HEK293細胞にKv2.1チャネルを発現させても同様な結果を得ていることから、上記のような仮説がさらに支持されたものと考えている。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Class IA phosphatidylinositol 3-kinase inpancreatic β cells controls insulin secretion by multiple mechanisms.2010
Author(s)
Kaneko K, Ueki K, Takahashi N, Hashimoto S, Okamoto M, Awazawa M, Okazaki Y, Ohsugi M, Inabe K, Umehara T, Yo shida M, Kakei M, Kitamura T, Luo J, Kulkarni RN, Kahn CR, Kasai H, Cantley LC, Kadowaki T
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Journal Title
Cell Metab.
Volume: 12
Pages: 619-632
Peer Reviewed
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[Journal Article] Deletion of CDKAL1 affects mitochondrial ATP generation and first-phase insulin exocytosis.2010
Author(s)
Ohara-Imaizumi M, Yoshida M, Aoyagi K, Saito T, Okamura T, Takenaka H, Akimoto Y, Nakamichi Y, Takanashi-Yanobu R, Nishiwaki C, Kawakami H, Kato N, Hisanaga S, Kakei M, Nagamatsu S.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 5
Pages: E15553
Peer Reviewed
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