2008 Fiscal Year Annual Research Report
血管石灰化の進展におけるWntシグナル経路の役割に関する研究
Project/Area Number |
20591082
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
塩井 淳 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 講師 (90260801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福本 真也 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90381996)
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Keywords | 動脈硬化 / 血管石灰化 / Wntシグナル / 血管老化 |
Research Abstract |
(1)in vitroでの研究 ヒト血管平滑筋細胞(HVSMC)におけるWntおよびその受容体遺伝子の発現をRT-PCRにより検討したところ、ヒト冠動脈およびヒト臍帯動脈由来の血管平滑筋細胞においてWnt5a,Wnt5b,LRP5の発現が確認された。HVSMCにおけるアルカリホスファターゼ(ALP)の発現および石灰化に対するWnt3aの作用を検討したところ、Wnt3aの単独添加ではALP活性に影響を及ぼさなかったが、活性型ビタミンDとの同時添加では、活性型ビタミンD単独に比し有意にALP活性を上昇させた。また、同時添加でin vitroでの石灰化がvon Kossa染色で確認された。さらに、HVSMCにおけるWntシグナルをTCF/LEFの転写活性で検討したところ、Wnt3aの添加によりTCF/LEFの転写活性はコントロールに比し有意に上昇したが、活性化型ビタミンDとの同時添加では転写活性に対する増強効果は認められなかった。 (2)in vivoでの研究 apoEノックアウトマウスの動脈硬化および血管石灰化病変におけるSAβ-galの発現を検討した。プラーク内にSAβ-gal陽性の細胞が認められた。SAβ-gal陽性領域とALP活性陽性領域とが一部一致することから、SAβ-gal陽性細胞が同時にALPを発現する可能性が示唆された。
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