2010 Fiscal Year Annual Research Report
冠動脈疾患患者におけるsmall dense LDL代謝異常の解明と治療応用
Project/Area Number |
20591085
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
橋本 浩一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30317987)
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Keywords | LDL / small dense LDL / stable isotoPe / apoprotein |
Research Abstract |
本年度は,プラバスタチン(P)とエゼチミブの併用(P/E)がsmall dense LDLを含むアポB含有リポ蛋白に及ぼす影響を検討した。ベースライン脂質プロフィールはTC/TG/HDL-C/LDL-C= 249/134/50/173mg/dLで、P6週間投与後TC/TG/HDL-C/LDL-C=211(-15%)/114(-15%)/52(+6%) /136(-20%)mg/dLとなり、P/E併用6週間後TC/TG/HDL-C/LDL-C=171(-31%)/105(-22%)/55 (+10%)/95(-44%)mg/dLであった。各リポ蛋白分画のアポB代謝パラメーターはSAAMII上でmulticompartmental modelを使ってfractional catabolic rate(FCR, pools/day)とproduction rate(PR, mg/kg/day)を算出した。その結果、VLDL1アポB濃度/FCR/PR=1.0/ 8.3/3.0がPで0.8/9.0/2.8で、さらにP/Eで0.9/9.5/3.3となった。VLDL2アポBは濃度/FCR/PR=5.7・7.0・21.1からPで5.7/7.7/17.5へ、さらにP/Eで5.2/9.4/18.7となった。IDLアポBは濃度/FCR/PR=4.2/4.4/7.3からPで4.1/5.8/9.2へ、さらにP/Eで2.7/7.9/8.3へと変化した。LDLアポBは濃度/FCR/PR=107/0.35/15.5からPで87/0.39/13.8へさらにP/Eで68/0.58/15.7となった。VLDL1, 2アポB FCRは有意な変化を認めなかったが、IDL、LDLアポB FCRはPにてそれぞれ32%,13%増加し、P/E併用によって79%,66%と著明に異化が亢進した。Small dense LDLについても、PによりT/T曲線の立ち上がりがやや急峻になったが、P/E併用時には、T/T曲線のピークが著明に増高し異化亢進を示唆するデータを得ている。今後、それぞれのデータのフィッティングを行いFCRを算出していく予定である。
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