2009 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌腫瘍発生機構の解明:MLL/menin核内複合体-細胞周期経路からの戦略
Project/Area Number |
20591087
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山田 正信 Gunma University, 医学部, 講師 (90261833)
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Keywords | MLL / プロモーター / オクトレオチド |
Research Abstract |
MLL遺伝子プロモーター領域の解析とオクトレオチドによる制御機構の解明 MLL遺伝子は、15年以上前に単離されたがエクソン1が非常にGCリッチであり転写開始点が決定されずプロモーター領域の解析はされていなかった。我々は5'RACE法を駆使し、MLL遺伝子の転写開始点を決定することに成功した。このプロモーター領域は、典型的なTATA boxを欠きGCリッチである。このクローニングしたプロモーターを用いて各種細胞におけるプロモーター活性の検討したところ、下垂体細胞であるGh4C1細胞並びにAt-T20細胞において非常に強い活性を示した。一方、腎臓由来細胞のCV1細胞やHeLa細胞ではその活性が弱く、MLLが神経内分泌系にて強い発現を示していることと相関していた。さらに、このプロモーターを用いて、オクトレオチドによりプロモーター活性が刺激されるか検討したところ、SV40プロモーターは100ng/mlオクトレチドによりまったく影響を受けなかったが、MLLプロモーターは、約2倍に2時間以降に有意に活性化された。従って、オクトレチドによるMLLの増加は、転写レベルで活性化されていることが明らかとなった。 MLLノックアウトマウス(MLLKO)における内分泌代謝関連表現型の解析 昨年バッククロスを進めたMLLKOは、軽度の貧血を認めることが報告されてきたが、その他の表現系についてはまったく検討されていない。我々は、野生型と比較して軽度発育不全を認めることや下垂体のp27mRNA発現が有意に低下していることを確認した。まず、野生型のマウスでMLLmRNAの発現を検討してみると、下垂体で非常に強い発現が認められ、さらに発現は弱いが視床下部や副腎なども約30~50%の発現を認め、MLLの内分泌臓器における重要性が示唆された。
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