2010 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌腫瘍発生機構の解明:MLL/menin核内複合体ー細胞周期経路からの戦略
Project/Area Number |
20591087
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山田 正信 群馬大学, 医学部, 講師 (90261833)
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Keywords | MLL / menin / p27 |
Research Abstract |
1)MLLノックアウトマウス(MLLKO)における内分泌代謝関連表現型の解析 Mixed lineage leukemia(MLL)は、ヒストン3のN端末より4番目のリジン残基(H3K4)を特異的にメチル化するhistone methyltransferase活性を持ち種々の遺伝子の発現調節に関与している。このMLLノックアウトマウス(MLLKO)のホモ接合体は胎生致死であり、ヘテロ接合体は成長障害があった。ヘテロ接合体では、下垂体のp27mRNA発現が有意に低下していたが、成長ホルモンやTSHのmRNA発現の低下はなかった。また、ヘテロ接合体はインスリンの分泌不全を伴う耐糖能異常を示した。以上より、MLLKOにおける成長障害は、成長ホルモンや甲状腺ホルモンの低下によるものでなく、一部は耐糖能の異常によることが判明した。 2)MLL遺伝子プロモーター領域の解析とオクトレオチドによる制御機構の解明 MLL遺伝子は、15年以上前に単離されたがエクソン1が非常にGCリッチであり転写開始点が決定されずプロモーター領域の解析はされていなかった。我々は5'RACE法を駆使し、MLL遺伝子の転写開始点を決定した。このプロモーター領域は、典型的なTATA boxを欠きGCリッチであった。このクローニングしたプロモーター領域と細胞シグナル伝達経路の各種阻害薬を用い、オクトレオチドによる転写活性刺激が、MAPK系とPI3K/Akt経路を介していることが明らかとなった。
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