2008 Fiscal Year Annual Research Report
2光子励起法を用いた下垂体前葉ホルモン開口分泌の可視化と解析
Project/Area Number |
20591088
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 幸路 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 特任講師 (20236243)
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Keywords | 開口分泌 / 2光子励起法 / 下垂体細胞 / ホルモン分泌 / 機能性内分泌腫瘍 |
Research Abstract |
器官培養標本の安定化 下垂体前葉細胞集塊を用いた実験系でプロラクチン分泌の解析を行い、新規の知見を得たが、そのさいに標本ごとの自発性分泌にばらつきが大きいことが明らかになった。未処理の標本で結果にばらつきがあると、薬理実験等の結果の評価がしずらくなるため、スライス標本と器官培養標本の系の確立とその評価を行った。急性スライス標本のでもばらつきが認められたため、スライスを一定時間培養し器官培養標本を作製した。その結果、プロラクチン分泌については自発分泌の頻度は増加し系の優位性は明らかになった。この系は、条件が整った場合は極めて有用な系であることが明らかになったため、手法として報告することとした。一方、標本ごとのばらつきは却って増したため、薬理実験を行うには不適切と判断した。薬理実験を行う目的では細胞集塊での実験系を安定化することに専念し、ある程度成功できた。プロラクチン分泌の解析のための薬理実験を行い、開口分泌の刺激伝達系路と分泌のモード変化の解析できた。視床下部因子の作用の解析 器官培養標本において、TRH, GHRH, CRH, LHRHなどの作用を検討したところ、(1)細胞集塊の系よりも刺激によって誘発される開口分泌の頻度は有意に増加したものの、(2)器官培養での反応性のばらつきの方が、細胞集塊において観察される反応性のばらつきよりも大きいことが明らかになった。このため、薬理実験の目的では適切ではないが、刺激による最大反応を観察することが可能であることが判明した。
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Research Products
(9 results)