2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591092
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 浩淑 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 教授 (60164331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 茂和 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20303547)
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Keywords | 甲状腺ホルモン / 脱ヨード酵素 / 下垂体 / 心筋 / 骨格筋 / 転写調節 |
Research Abstract |
下垂体、心筋、骨格筋における2型脱ヨード酵素(D2)遺伝子のT3/TRによる負の調節 (1) 下垂体TSH産生細胞における機序 TSHβ遺伝子はT3とT3受容体(TR)により抑制されるが、その機序としてこれまで不明であった。我々は、TSHβ遺伝子の発現が転写因子Pit1とGATA2によって維持され、GATA2がTRと相互作用することでT3/TRによる負の調節をうけることを明らかにしてきた。TSH産生細胞内のT3濃度を制御する2型脱ヨード酵素(D2)遺伝子もT3/TRによって抑制されるが、やはり機序は不明である。我々はこれがTSHβと類似の機序であることを想定し、実験を進めた。その結果、D2プロモーター(-744bp)もGATA2によって転写が活性化されることが判明したが、TSHβと異なりPit1の影響は少ない。欠失実験の結果から、cAMP応答配列(CRE)と転写開始点の間に機能的なGATA結合配列が2カ所存在することが分かった。どちらの変異によってもGATA2による活性化は減弱したが、in vitroの解析ではGATA2の結合は下流のGATA結合配列にのみ認められた。 (2) 心筋における機序 心筋にはGATA4、6が内因性に発現しており、特にGATA4は転写因子Nkx-2.5やSRFと共に多くの心臓特異的な遺伝子の発現に関与する。D2プロモーターはGATA4、Nkx-2.5、SRFの全てで活性化されたが、T3結合TRで抑制されたのはGATA4による活性化の場合のみであった。 (3) 骨格筋における機序 転写因子MEF2ファミリーは骨格筋ならびに心筋特異的な遺伝子の発現に深く関わる。CV1細胞において、MEF2の転写活性化能をT3結合したTRが抑制する事、MEF2のコアクチベーターであるMASTRがD2プロモーターを約10倍刺激することを見いだした。しかし、MASTRでD2プロモーターを刺激した場合、T3結合したTRによる転写抑制は認められず、骨格筋においてT3/TRにより負調節を受ける活性化因子は未だ不明である。
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Research Products
(4 results)