2010 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン抵抗性に続発するインスリン分泌異常の分子機構の解明-GPR40の検討-
Project/Area Number |
20591094
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細田 公則 京都大学, 医学研究科, 教授 (40271598)
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Keywords | GPR40 / 肥満 / コレツキーラット / 中性脂肪 |
Research Abstract |
G蛋白共役型受容体40(GPR40)は中・長鎖の遊離脂肪酸をリガンドとするGq共役型受容体である。 GPR40は膵β細胞にほぼ特異的に高発現し、グルコース応答性インスリン分泌の増強に関与することが報告されてきた。しかし、GPR40の病態生理的意義は不明な点が多い。我々は、GPR40が内因性脂質(遊離脂肪酸)をリガンドとし、インスリン分泌増強に関与することから、インスリン分泌調節と脂質代謝でのGPR40の病態生理的意義の可能性に注目し、我々が遺伝子異常を解明した遺伝性肥満モデル(Nat Genet, 1996)コレツキーラット(fa^k/fa^k)にて、膵島でのGPR40遺伝子発現をTaq Man PCRにて検討した。著明な肥満およびインスリン初期分泌低下を呈する14週齢のfa^k/fa^kで、膵島でのGPR40 mRNAレベルは非肥満対照(+/+)の約1/3に著明に低下していた。また、14週齢fa^k/fa^kの単離膵島にて、GPR40のリガンドである長鎖脂肪酸のオレイン酸によるインスリン分泌増強は著明に低下していた。また、GPR40のプロモータ領域に結合ドメインが報告されているPdx1のmRNAレベルは、fa^k/fa^kの膵島で+/+の約1/2に低下していた。fa^k/fa^kがレプチン受容体欠損動物であることから、膵島での中性脂肪レベルを定量したところ、fa^k/fa^kにて+/+の約3倍に著明に増加していた。脂質蓄積のある膵β細胞で、GPR40遺伝子発現低下が示された。GPR40はインスリン分泌調節増強に関与することが知られており、膵島でのGPR40発現低下とインスリン分泌調節異常の関連が示唆される。 また、我々の検討から、コレツキーラットが脂肪蓄積と膵β細胞機能異常の研究ツールとして有用である可能性が示された。
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Research Products
(5 results)