2008 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイムイメージングを用いたSERMの組織特異的作用メカニズムの解析
Project/Area Number |
20591098
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河手 久弥 Kyushu University, 大学病院, 助教 (20336027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 涼一 九州大学, 医学研究院, 教授 (30154917)
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Keywords | 核内受容体 / 共焦点顕微鏡 / ホルモン / 核小体 |
Research Abstract |
1.ラロキシフェンで誘導されるエストロゲン受容体(ER)の核小体移行 蛍光タンパク質であるGFPとERとの融合タンパク質を作成し、様々な組織由来の細胞で発現させて、ラロキシフェンあるいはエストロゲン添加によるエストロゲン受容体の細胞内動態を調べた。骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1や腎臓由来の細胞株COS-7では、エストロゲン処理とラロキシフェン処理の双方において、ERは核内で細かい均一なfociを形成した。しかしながら、乳癌細胞株MCF-7およびKPL-1においては、エストロゲン処理ではERは核内fociを形成するものの、ラロキシフェン処理ではERが核小体に移行することが観察された。ラロキシフェン処理では、ERを介する転写活性化は著明に抑制された。 以上の結果から、ラロキシフェン処理によるERの細胞内局在の違いが、ラロキシフェンの臓器特異性の一つの要因となる可能性が示唆された。 2.ラロキシフェンで誘導される核小体移行に重要なERのアミノ酸残基の同定 ERのどの部位が核小体への移行に関与するかを、変異体を作成して調べたところ、転写コファクターの結合に重要なC末端のヘリックス12にアミノ酸置換を導入した変異型ER(L536AおよびL539A)は、ラロキシフェン処理でも核小体には移行しなかったため、ERのC末端に結合するタンパク質が、ラロキシフェンによるERの核小体移行に重要であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)