2008 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性甲状腺疾患の病態解析研究:遺伝子改変マウスを中心に
Project/Area Number |
20591099
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
永山 雄二 Nagasaki University, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30274632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿比留 教生 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00380981)
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Keywords | 甲状腺自己免疫 / TSH受容体 / 橋本病 / バセドウ病 |
Research Abstract |
1.IL-17KOマウスでの検討:IL-17KOマウスを用いて、目己免投性中状腺疾患の発症を検討したところ、NOD-H2^<h4>マウスを用いた橋本病モデルでは、明らかに疾患発症と抗サイログロブリン自己抗体価が抑制された。さらに、IL-17欠損により、Th17の消失は勿論だが、Th1細胞の数も減少した。以前の研究でIFN-γ欠損NOD-H2^h4マウスでも疾患発症が抑制されたことから、橋本病発症には、Th1とTh17の両方が重要であることが、示唆された。一方、バセドウ病モデルでは、BALB/cマウスを用いた揚合、IL-17欠損は疾患発症に影響を及ぼさなかった。脾細胞からの抗原特異的サイトカイン分泌実験では、IFN-γのみの分泌が認められたことから、IL-17はバセドウ病では分泌されず、Th17は病態形成に関与していないことが示唆された。 2.自己抗原特異的T cell lines/clonesの作製:まず、抗原蛋白を大量に得るため、TSH受容体細胞外領域(TSH受容体Aサブユニット)を大腸菌に発現させる系の確立を試みた。TSH受容体AサブユニットとThioredoxinの融合蛋白が効率よく発現されることを確認したが、inclusion bodyを形成する不溶化蛋白として得られた。可溶化剤を用いて精製に成功し、これを抗原蛋白として用いて、TSH受容体特異的T cell lines/clonesの作製を作成中である。 3.AIRE KOマウスを入手してTSHR TGマウスと交配し、AIRE KO/TSHR TGマウスを作成した。TSH受容体発現アデノウイルスで免疫して、野生型との免疫反応を比較中である。
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