2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20591100
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山口 秀樹 University of Miyazaki, 医学部, 助教 (10305097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十枝内 厚次 宮崎大学, 医学部, 特任助教 (80381101)
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Keywords | 生理活性ペプチド / 摂食調節 / 免疫染色 |
Research Abstract |
新規生理活性ペプチドNERP (NeuroEndocrine Regulatory Peptide)の摂食・エネルギー代謝調節機構における機能解析を行った。 NERPの前駆体蛋白をコードするvgf遺伝子の変動を解析した結果、ラット視床下部外側野において48時間絶食でvgf遺伝子発現の増強を認め、再摂食2時間後に発現量は低下した。 抗orexin-A/抗anti-orexin-B IgGsのNERP-2投与3時間前の脳室内投与は、NERP-2による摂餌量亢進をキャンセルした。しかし、抗MCH IgGの脳室内前投与はNERP-2の摂食亢進作用に影響を与えなかった。オレキシン1受容体(OX_1R)の選択的拮抗薬の脳室内前投与は、NERP-2の摂食亢進作用をキャンセルした。NERP-2とorexinの関連を、オレキシン遺伝子欠損マウスを用いて検討した。その結果、NERP-2の摂食亢進作用は野生型マウスでみられるが、オレキシン遺伝子欠損マウスでは認められなかった。陽性コントロールとして用いたMCHの摂餌亢進作用は、オレキシン遺伝子欠損マウスと野生型マウスで同等に認められた。orexinの作用点である弓状核に存在する摂食亢進ペプチドであるAgRPとの機能連関を検討した。AgRP IgG抗体の脳室内前投与はNERP-2による摂食亢進作用に影響を与えなかった。 NERP-2の摂食亢進作用の作用点を検討するため、摂食に関与する脳内神経核にNERP-2を微量注入し、投与後の摂餌量を検討した。その結果、NERP-2の微量注入による摂食亢進作用は、弓状核への微量注入でのみ認め、室傍核や外側野への投与では認められなかった。 以上より、新規生理活性ペプチドであるNERP-2は、オレキシンを介して投射先の弓状核で摂食を亢進させる生理活性ペプチドであることが明らかとなった。
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