2009 Fiscal Year Annual Research Report
老年期骨粗鬆症治療戦略確立の探索的研究~骨形成促進作用を持つ新規骨粗鬆症薬~
Project/Area Number |
20591105
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
岡田 洋右 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 講師 (80333243)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良哉 産業医科大学, 医学部, 教授 (30248562)
|
Keywords | 糖尿病 / 閉経後骨粗鬆症 / 骨質 / 選択的エストロゲン受容体モジュレーター |
Research Abstract |
【背景・目的】2型糖尿病は生活習慣病の代表的な疾患であるが、最近では骨粗鬆症もその中のひとつとされ、高齢化や食生活の変化に伴い糖尿病のみならず、骨粗鬆症患者も急増している。また、2型糖尿病では骨質の悪化により骨折リスクが高いと考えられている。選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は、椎体骨折抑制のみならず骨質改善や動脈硬化・乳癌に対する抑制効果に関する報告も散見されているが、2型糖尿病における骨・脂質・糖代謝に対する効果は不詳であり、今回検討した。 【方法・結果】80歳未満の2型糖尿病で閉経後女性144例を無作為に無投薬:A群(51例)、アルファカルシドール:B群(48例)、SERM : C群(45例)に割付け、6・12ヶ月後に検討。1)血清NTx、BAPは6ヶ月後よりB・C群で低下、12ヵ月後も更に低下し(B群p=0.001、C群p=0.000)、その作用はC群で強かった。2)ホモシステインは6・12ヶ月後にC群で有意に低下した(p=0.001)。ペントシジンは変化なし。3)TCはいずれの群においても変化なかったが、LDL-CはC群で有意な低下を認めた(p=0.029)。HDL-CはB群で上昇を認めた(p=0.007)。TGはC群で低下傾向であった。4)糖代謝は有意な変化なし。5) LDL-Cの改善率と骨代謝や骨質の改善は相関なし。 【考察】SERMは脂質代謝改善作用のみならず、ホモシステイン低下作用も有しており、悪玉の架橋を改善する可能性が示唆され、閉経後骨粗鬆症合併2型糖尿病に対するトータルヘルスケアとして有効な薬剤と考える。
|