2008 Fiscal Year Annual Research Report
核内受容体によるエネルギー代謝調節の分子メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
20591106
|
Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
田上 哲也 Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center, 内分泌代謝高血圧研究部, 研究室長(分子内分泌代謝) (60273439)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 裕之 武庫川女子大学, 薬学部, 助教 (10466295)
森山 賢冶 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (00301739)
成瀬 光栄 独立行政法人国立病院機構, 内分泌代謝高血圧研究部, 部長 (40120018)
|
Keywords | 甲状腺ホルモン受容体 / PPAR / 核内受容体 / ミトコンドリア脱共役蛋白 / 転写制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は,甲状腺ホルモン受容体(TR)、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)、レチノイドX受容体(RXR)などの核内ステロイドホルモン受容体間、アイソフォーム間の複雑なクロストークを、我々が最近同定した新規TRアイソフォームも含めて、主としてエネルギー代謝と骨代謝の観点から解明することである。さらに、共通のプラットフォームを用い、受容体アイソフォームをベイトとして、生薬等の中からアイソフォーム特異的リガンドを新規に同定する。 本年度の研究実施計画に対し、以下の成果を得た. 1.新規TRアイソフォームに対する特異抗体の作成 a)新規TRアイソフォーム(TRβ4)に対する特異抗体(抗TRβ4)の作成を試みた。特異配列に相当するポリペプチドを合成し、家兎に免疫した。合成ポリペプチドに対する抗体価をELISA法により確認した。 b)既存のTRに対する抗体を用いて、各種TR遺伝子をトランスフェクションすることにより発現した培養細胞の核抽出蛋白ならびに網状赤血球用いて転写翻訳した各種TR蛋白を、ウエスタンブロット法によって検出した. 2.薬剤特異的に関与するアミノ酸部位の同定を目的とした変異PPARの作製 a)PPARγの結晶解析結果に基づいて,PPARα,γ,δのリガンド結合領域(LBD)の特徴的な部位に遺伝子変異を導入し,アミノ酸置換を含む各種PPAR発現ベクターを新規に作製した.培養細胞に種々の変異PPAR蛋白発現ベクターを,PPAR応答配列(PPRE)で駆動されるルシフェラーゼ発現リポーター遺伝子と共に発現させ,培養液に薬剤を添加してルシフェラーゼ活性を測定したところ,アミノ酸変異により各種薬剤(チアゾリジン系:TZD、フィブラート系、ARB、レチノイン酸等)による各PPAR活性化に相違が観察された. b)イーストDNA結合配列(Gal4-DBD)やヘルペス転写活性化配列(VP16-AD)にPPARγ-LBDを繋いだキメラ蛋白発現ベクターを作製した.これらのPPARγ-LBDにも変異を導入し、種々のコファクター(転写共役因子;NCoR/SMRT、SRC1-3、TRAP/PBP、PGC1)との結合性をmammalian two hybrid法を用いて解析した。コファクター利用に明らかな薬剤選択性は認められなかったが,薬剤による変異PPARγ活性とコファクター結合性は相関した.
|
Research Products
(7 results)