2009 Fiscal Year Annual Research Report
白血病発症におけるRUNX1遺伝子発現制御機構の解析
Project/Area Number |
20591114
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
迫江 公己 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (10398505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 則夫 順天堂大学, 医学部, 教授 (50186798)
桐戸 敬太 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (90306150)
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Keywords | RUNX1 / 家族性血小板減少症 / 白血球 / 遺伝子変異 / 発現調節 |
Research Abstract |
血小板減少症Y家系において認められたrSNPとエクソン8の変異がRUNX1のタンパク質発現に及ぼす影響について検討した。RUNX1遺伝子のrSNPとエクソン8の変異を持つconstruct、エクソン8の変異のみを持つconstructおよび野生型のconstructをヒト細胞株HEK293に導入してタンパク発現量を解析した結果、エクソン8の変異を持つconstructはrSNPの有無にかかわらず野生型に比べてタンパク発現量が低いことが認められた。これはフレームシフトにより正常型タンパクに無いリジン残基が新たに4ヵ所に存在するためであるが、このリジンをアラニン残基に置換した変異体を293細胞に導入してRUNX1タンパクを解析したところ、全てのリージンがユビキチン化によるタンパク分解に関与していたが、特に3と4番目のリジンがY家系の変異型におけるRUNX1タンパクの発現量に関与していた。フレームシフト変異には1塩基欠失型(Y家系型)と2塩基欠失型(AML型)が存在し、C末のアミノ酸は野生型を含めて3つの型で全く異なる。それぞれの変異を持つconstructを作成し、タンパク質のタンパク発現量と局在を解析した結果、タンパク発現量はY家系型がもっとも少なく、次いでAML型、野生型であり、核の不溶分画にはY家系型タンパクのがもっとも多く認められた。RUNX1タンパク質は核に局在し、ミスセンス変異のタンパクは細胞質にも局在することが報告されているが、Y家系型は、プロテアソーム阻害剤であるMG132を添加後にタンパク発現量が増加し、タンパクは核内に局在することが確認された。AML型はMG132添加に関わらずタンパク発現量が他の2つの型より多く、局在はミスセンス変異において報告されている細胞質と核の両方に局在した。RUNX1のフレームシフト変異はAML型ではタンパク質の分解がおこりにくく、局在が変化することによる機能障害が、Y家系型では遺伝子産物が50%に減少するハプロ不全が考えられた。
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Research Products
(4 results)