2008 Fiscal Year Annual Research Report
リツキシマブ治療における腫瘍側の生物学的作用機序の解明と感受性増強療法の開発
Project/Area Number |
20591119
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 朝博 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60283446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 栄男 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80180363)
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Keywords | エピジェネティクス / モノクローナル抗体 / 悪性リンパ腫 / 分子不要時治療 |
Research Abstract |
GCB-type DLBCLとABC-type DLBCLに対するrituximabの効果の差について、両者由来の細胞株を用いたin vitroの細胞傷害アッセイを行った。検討したのは直接的なapoptosis誘導作用、ADCCおよびCDC感受性試験である。用いた細胞株は、GCB-type DLBCL由来細胞株DHL-4、DHL-10、ABC-type DLBCL由来細胞株Ly-3、Ly-10である。Rituximabによるアポトーシス誘導効果については、GCB-type細胞株に比べてABC-type細胞株においてよりrituximabに対して低感受性であることが示された。またrituximabのADCC、CDC活性についてin vitro chrome releasing assayによって評価したところ、ABC-type細胞株に比べてGCB-type細胞株においてADCC、CDC感受性が高いことが判明した。 これらの結果は臨床症例における免疫組織染色を用いたDLBCL亜型とrituximab効果との関連に関する報告に一致しないものだった。最近DNA microarrayを用いた大規模解析により、rituximabによる化学療法の効果増強作用はDLBCLの両亜型ともに認められることが報告された。この結果は今回の解析結果と矛盾しないとも考えられたため、DLBCL亜型におけるrituximab効果の差についてはさらに検討が必要と考えられた。 一方Rituximabの効果は細胞株間で大きく異なるため、その分子機序を解明する目的でCD20発現レベルやapoptosis関連分子とrituximab治療効果の関連について検討を進めている。またepigenetic drugなどによりCD20発現の変化が認められるため、rituximab感受性増強療法を目指した検討を加えている。
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Research Products
(28 results)