2009 Fiscal Year Annual Research Report
リツキシマブ治療における腫瘍側の生物学的作用機序の解明と感受性増強療法の開発
Project/Area Number |
20591119
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 朝博 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60283446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 栄男 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80180363)
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Keywords | エピジェネティクス / モノクローナル抗体 / 悪性リンパ腫 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
これまで行ったGCB-type DLBCL由来細胞株(DHL-4、DHL-10)、ABC-DLBCL由来細胞株(Ly-3、Ly-10)を用いた検討では、直接的なapoptosis誘導作用ではABC-DLBCL細胞株がGCB-DLBCL細胞株に比べて低感受性だった。一方ADCCおよびCDCについてはABC-DLBCL細胞株に比べてGCB-DLBCL細胞株においてADCC、CDC感受性が高いことが判明した。しかし用いた細胞株ではGCB-DLBCLでABC-DLBCLに比べてCD20発現強度が高い傾向を認めたため、標的分子発現レベルが作用の違いに関連している可能性も示唆された。 最近DNA microarrayを用いた大規模解析により、rituximab併用化学療法で治療されたDLBCLの予後はGCB-DLBCLがABC-DLBCLよりも良好であることが報告された。この結果は当初の免疫組織学的な病型分類に基づく検討で示された、rituximab併用化学療法で治療されたGCB-DLBCLとABC-DLBCLの予後に差は認められないという結果と異なるものである。以上からGCB-DLBCLとABC-DLBCLに対するrituximab効果には本研究で想定したような差はない可能性がある。 Rituximabの効果は細胞株間で異なるため、DLBCL亜型に着目してrituximab効果を調べるだけでなく、CD20発現レベルやapoptosis関連分子とrituximab治療効果の関連について検討を行う。またepigenetic drugなどによりCD20発現の変化が認められるため、rituximab感受性増強療法を目指した検討も加えている。
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Research Products
(36 results)