2010 Fiscal Year Annual Research Report
リツキシマブ治療における腫瘍側の生物学的作用機序の解明と感受性増強療法の開発
Project/Area Number |
20591119
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木下 朝博 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (60283446)
|
Keywords | 悪性リンパ腫 / 分子標的治療 / モノクローナル抗体 / rituximab |
Research Abstract |
Diffuse large B-cell lymphoma (DLBCL)に対するrituximabの治療効果を規定する分子機構を解明することを目的にして、GCB-type DLBCL由来細胞株(DHL-4、DHL-10)、ABC-DLBCL由来細胞株(Ly-3、Ly-10)を用いてin vitroでrituximabの作用について検討した。直接的なapoptosis誘導作用ではABC-DLBCL細胞株がGCB-DLBCL細胞株に比べて低感受性だった。またADCCおよびCDCについてはABC-DLBCL細胞株に比べてGCB-DLBCL細胞株において感受性が高いことが判明した。しかし用いた細胞株ではABC-DLBCLに比べてGCB-DLBCLでCD20発現強度が高かったため、標的分子発現レベルが作用の違いに関連している可能性も示唆された。 Rituximab感受性への関与が推定されるNF-kB経路に関わるCD79B、CARD11およびEZH2についてDLBCL臨床材料で変異解析を行った。CD79Bの遺伝子変異は15例(10.9%)に認められた。亜分類可能であった77例では、GCB型で2/37症例(5.4%)、non-GCB型で4/40症例(10.0%)に認められた。EZH2遺伝子変異は、9症例(6.5%)に認められた。亜分類可能であった77例ではGCB型で6/37症例(16.2%)、non-GCB型で2/40(5.0%)だった。CARD11遺伝子のcoiled-coilドメインをコードするエクソン(Ex)5, 6, 9について検討した。DLBCL138例における同部の変異は4例(2.9%)で、亜分類可能であった77例ではGCB型で1/37症例(2.7%)、non-GCB型で1/40(2.5%)だった。これらのうちCARD11遺伝子変異を持つ症例が予後不良であることが明らかとなった。
|
Research Products
(26 results)